社会に放り出されてからというものの、人生の迷子だった。
チューニングが狂ったまま。そんな感覚だった。
だから2020年は映画を撮ろうと思った。
踏み外さない人生へ迎合する者。
それを馬鹿らしいと笑って、抵抗してやると。
あのSFのようなレジスタンスの【希望】を。
飛ばしてやる、ミレニアム・ファルコン。90'sウォリアー。
2月頃。ひっそりと計画を立てた。
親友への出演交渉、当て書き、そして主題歌への交渉。
そして、ウイルスが世界を蝕んだ。
出演者は二人とも鬱になった。
相も変わらず、自殺未遂を繰り返している。
そしてそう、私も。
私は生き延びた。いつまで続くかはわからない。
今なのだ。刹那の火花を絶やしてはいけない。
そうお察しの通り、その場しのぎの粗削り。
生き恥晒しての時間稼ぎ。
クライマックスはそれまでにとっておこう。
今年の夏の出来事を再現した作品だ。
レコーダーで録音していたものを元に、再現の映像を撮影した。
事情により改変部分も多いけれど、本筋は同じだと思う。
残っていた写真等を組み合わせ、台本もなく、独りでほぼ部屋での制作となった。
「自分の作品に自分は出演はしない」
私の信条だったし、ネットに曝け出すことの抵抗感が凄かった。
だってネットリテラシー教育の全盛期だったし。
それでも尚「やらなければいけない」と思った、から覚悟を持ったのでした。
死に損なったこの命が意味を持つ日が来るといいな。