'04 1 23 小学校に持っていった使い捨てカメラ。
修学旅行の残りのフィルムには、あの頃の湿度が残った。
'04 1 23 小学校に持っていった使い捨てカメラ。
修学旅行の残りのフィルムには、あの頃の湿度が残った。
大人になる=つまらない
何が悲しくてこんな自分になったんだ
何がどうなってこんな自分になったんだ
僕が夢見た未来ってこんなんだったけ
なんだ がっかりだ
僕らは大人になったんだ
「将来設計?」
5歳年下の元同期、あやのに云われてミドリは自身が大人になっていたことに気付く。
大学時代に映像サークルをやっていたことを思い出し、映像を見返す。
しかし、作品は子ども時代の大人としての生き方への疑問で終わっていて、ミドリはそのアンサーを作り始めようと決心する。
しかし、現実は各々が大人になり、映画を撮っている暇はないと、世間の風当たりは強いのだった。
大人になる≠迎合
大人になること≒子どものままでの抵抗
大人になる=覚悟と責任を持つこと
ったら どうやって搔き垂れよ
どうやって負け散らそ
一切合切 ぶち込んじゃって
ロックにやったって 一生
それでもミドリは足掻くことを選んだ。
覚悟と責任を手に、虚勢だけで人々を集める。
全てのくりに係を全て使い、頭を下げて回る日々の中で、ついてきてくれる人々がいた。
だから、映画を撮ることができた。
ミドリの人生を通して至った結論を、「全てはどうでもいいのだ」ということを、花火として打ち上げようと足掻くのだった。
大人になる=生きていること
いつだって夢ばかり見た
夢ばかり見た
その夢の続きは
届かない過去を想った
過去を想った
その先の未来は 未来は
そんなことばかり今も考える
そんなことばかり今も思い出す
ミドリには二十年来の親友が二人いた。
ルミとショウコとは、ここ数年のバラバラの生活で三者三様に、心に傷を負ってしまっていたのだった。
ミドリは、昨年の8月に首を吊りかけて鬱病でずっと闘病している。
ショウコは、ワーカーホリックでうっかり中央線に飛び込みそうだ。
ルミも鬱になり実家に帰って以来、ひたすらに頸動脈を切ったり、スピリタスやマイスリーに溺れ、死にかけては救急搬送される。
言葉を尽くしても響かないことにもどかしさを感じるミドリ。
一時的な認知の歪みでの「無駄死に」をどうにか阻止したいのだった。
十年ぐらい敬愛してやまない梨本うい氏と、モノノケノノモのYM氏とユウスケ氏に使用許諾を得ての制作でした。頭が上がりません。まだ知らない誰かのもとにも届くと良いなと思います。
「CDだけ使わせて貰って良いですか!曲は使わないんですけど」と失礼すぎるDMに快諾してくれた、ゆうメンタルクリニック新宿院仲間の平井さんに感謝です。 鬱に響くので、まだ知らない誰かのもとにも届くと良いなと思います。ありがとうございます。
タイトなスケジュールにねじ込みながらだったので、ここら辺の楽曲で鼓舞させてもらいました。モモモも『マルチレス』とか『ACPC』とか、これは違うけど『シャドーマンショー』とか。もう書ききれませんね。音楽に生かされています。
「無駄死を阻止する映画を作ろう」
この1年で色々あったY、S、R、R、S、Y、Y、そして関わりをもってくれた全ての人へ全ての熱量を。見えてますか、花火。ほんの少しでも高く上がってれば嬉しいです。
映画を撮るという構想は2020年の頭からありました。一度目の休職で「原点回帰して好きなことをやってみよう」という気持ちでした。そこから楽曲の使用許諾を得たり、サイト制作を始めたり、人に声をかけたりをはじめ、一度目の構想を練り始めました。
しかし、数か月後の8月、私は自分の命を諦めました。トリガーは過労の視野狭窄でしたが、私はもうこの世界に疲れ切っていました。
ただ、その瞬間から1年間で様々な人に出逢い、様々な経験をすることになります。数々の大切な人たちの自死の阻止にも追われました。様々な苦悩や思想に触れ、今まで以上に怒涛の1年になり、考えることが増えました。
自分自身もうつ病になり、半年で10kg体重が落ち、失神寸前を繰り返していました。愛もお金も無限にはない、ただこのままでは自分の身体が持たない、それが映画という花火を打ち上げる原動力になりました。
元々あった構想を練り直しに練り直しました。メッセージ性は変わっていないのですが、もう本当にこねくり回し、現在に至ります。より多くに届くと嬉しいです。